たまごかけごはん

どこかで箸休めしたくて書きなぐったものです。

たまごかけごはん専用醤油の話

たまごかけごはん専用醤油、一時期話題になりましたよね。


たまごかけごはん用に開発されたお醤油だとかなんだとか。全然興味なかったので全く調べなかったんですけど。


そもそもたまごかけごはん用って何だよ…用途狭すぎない…?って思ってました。別に普通の感想だと思っています。図々しくも。


お醤油専門店とか、お出汁を取り揃えましたみたいなお店で見かけることはあったんですけど、図々しくも興味を持っていなかったので手に取ったことすらありませんでした。


一生使うことはないと思ってすらいた。



ある日、両親が友人の子供の結婚式に出席したと聞きました。


両親の友人の子供の結婚式なので、新郎新婦は私と同世代なわけです。確か1個上で、小さい時はよく遊んでもらったお兄ちゃんでした。小学校の頃まではよく同じ布団で寝てたのに、中学校で同じ学校になると話すのが少し気恥ずかしくなったりして、今思うと思春期だったんだなあと感じます。


今はもう、異性と話しているところを友人に見られても気恥ずかしいなんて思わなくなってしまったなあ…。こうしていろんな感情が平らになっていくんですかね。


話を戻します。

要はその結婚式の引き出物で、両親が頂いてきたのが「たまごかけごはん用お醤油」だったんですよ。松茸のお吸い物とかタイのお吸い物と一緒に箱に入った、たまごかけごはん用お醤油。


実家は便利ながらもやっぱり田舎で、両親くらいの歳の人は全然外食とかしないし、レトルトを家でわざわざ使ったりもしないし、たまごかけごはんを食べるような歳でもなくなった(両親談。どんな歳だよと思うけど、私も歳をとったら分かるのかもしれない。)らしいので、箱ごと私が頂くことに。


こうして私は一生邂逅することはないと思っていたたまごかけごはん専用醤油と否が応でも出会うことになったのです。


出会ってしまったらそこから何か始まってしまうのが人生というもので、たまごかけごはん専用醤油と出会ってしまったのだから使わないわけにはいかないと、たまごかけごはん専用醤油を使ってたまごかけごはんを食べてみることに。


普段たまごかけごはんを食べる時は、ご飯の上に卵を割って、そこに味の素を振りかけ、お醤油をかけていただきます。幼少期、 母親に「これはおいしいもとや」と味の素の赤い蓋の瓶を見せつけられていた私は、味の素を振りかければたいてい美味しくなると信じて育ちました。特にたまごかけごはんに味の素は最強だと信じて生きてきました。

これ以上うまいものがあるかと。


しかし違いました。私が二十数年間、信じて疑わなかった味の素の絶対的な強さは、偶然にも出会ってしまったたまごかけごはん専用醤油に、ついに破られてしまったのです。


たまごかけごはん専用醤油、めちゃくちゃおいしい!!!!!!!!


なんだこれ!?うま!!!うま!?!!!!??うまい!!!!!!と、うまうま言いながらお箸が止まりません。だけどうまいと言わずにはいられなくて、うまいうまいと声に出していたので、ごはん粒を飛ばしながら食べていたと思います。


お行儀すら悪くなってしまうほどうまいのです。おいしいではなく、うまい。本当にうまいのです。


よくよく考えれば、醤油の生産者達いわば醤油のエキスパート達が、「うすくち」「こいくち」「だし」くらいしか作ってこなかった(偏見)頑固な(偏見)醤油職人達が、わざわざ庶民代表貧乏飯のたまごかけごはん「専用」に醤油を開発して、うまくないわけがない。


たしかに味の素もおいしい。めちゃくちゃおいしい。おいしいもとと教えられたことを恨んだ日はないくらいおいしい。


だけどやっぱり、たまごかけごはんだけを極めたモノには敵わないもんです。


結局、何でもそうなんですよね。何かを極めたモノに、平均以上が敵うことなんてなかなかない。どんな世界でもそうなんですよね。


逆に言えば、何かを極めれば無敵です。そもそも極めるってそういう言葉なんで当たり前ですけど。


最近は、そうやって何かを極めれば認められることが増えてきましたよね。プロゲーマーとか、ユーチューバーとか。ゲームでもくだらないことでも、極めればやっぱりすごい。


それを極めるということにいかに膨大な努力がかかるか、知っている人が増えてきた分野が増えてきたから世間から認められるような極み分野が増えてきたのではないかなと思います。すごくいい増殖関係だと思います。もっと増えろ。どんどん増えろ。


そんな私は味の素です。可もなく不可もなく、平均か辛うじてちょい上レベルにしかできない。何事も。よく言えば万能ですが、悪く言えば平凡です。


しかし味の素が最強調味料のおいしいもとであるということは変わらないし、そういう存在がいてくれることって大切なのではないかと。味の素入れればおいしいしいいか、という安心感が、フライパンに向かう私をどれだけ救ったことか。


味の素は味の素なりにこの世の中を見てみようと、ブログを始めました。


よろしくお願いします。